岡村靖幸

DAOKO × 岡村靖幸「ステップアップLOVE」は現在の若者にとっても最新型の音楽である

岡村靖幸という存在は不思議なもので、これだけ活動歴が長く、実績もあるのに世間的な知名度が低い。もちろん知っている人は知っているのだが、「知る人ぞ知る」的ないわゆるサブカル寄りのアーティストにカテゴライズされている。

僕はかれこれ岡村靖幸のファン歴は20年弱になるが、「好きなアーティストは岡村靖幸です」と言うと大抵

「えっ、おかむらやすゆき?知らないなぁ…」

となる。

悲しいかな、これが事実である。

「カルアミルク」「だいすき」「あの娘僕がロングシュート決めたらどんな顔するだろう?」とか知らない?

と問いかけても

「知らないなー」

となる。

こういう場合は岡村靖幸の提供作品で攻める。

50代の人なら初期の渡辺美里に曲を提供している人だよ
30代から40代の人なら川本真琴のデビュー曲のプロデュースした人だよ
ヴィジュアル系好きの人ならソフィアやバクチクの敦ちゃんのソロ曲を提供した人だよ

といえばわかってもらえる場合が多い。

それでもだめなら、

ミスチルの桜井や平井堅や及川ミッチーや槇原敬之などのビッグネームたちからリスペクトされているアーティストだよ

と言えばオーケーだ。

そして、現代の若い世代には、

DAOKOとコラボしたスーツメガネのキレキレデンスおじさんだよ

と言えば

「あっ、あの人ね」と通じるだろう。

DAOKOとコラボ

岡村靖幸のファン世代は40代から50代の方が多いだろうから、DAOKOと岡村靖幸がコラボするという一報を知っても「DAOKO?誰?」となった方が多いのではないだろうか?

僕もDAOKOなんて全く知らなかった。

しかし、DAOKOと米津玄師のコラボ曲である「打上花火」は知っていた。当時めちゃくちゃ流行っていたし、なんなら2017年に最もヒットした曲といっても決して過言ではないくらいだった。

現在の若者に超絶に支持されているDAOKOとあの岡村靖幸がコラボ。しかも米津玄師とのコラボ曲「打上花火」が大ヒットした次のDAOKOのコラボ相手としての岡村靖幸だ。

  • 米津玄師→岡村靖幸

だ。

いや、この移行は普通に考えて、おかしいでしょ。

DAOKOとは

DAOKOとは、ウィキペディア情報によると、ラップシンガー、ヒップホップMC、作詞家、小説家。

15歳の時に初音ミクの曲をラップバージョンにリアレンジしニコニコ動画に投稿したところから地道に活動を始め、徐々に評価されていったようだ。

まだ何物でもない10代の頃にニコ動に投稿してメジャーへの道が開ける。まさに現代的な経歴の持ち主だ。

ニコニコ動画とか初音ミクとかボカロとか…。もう、僕にはよくわからない。でも、今の20代にとってボカロというのは、僕ら(30代以上の世代)が思っている以上に絶大的で影響力が大きいことは知っている。

それぞれの世代にとって圧倒的なスターがいる。

  • 60代の方にとっての山口百恵・ジュリー
  • 50代にとっての松田聖子・サザンオールスターズ
  • 40代にとっての米米CLUB、チャゲアス
  • 30代にとってのGLAY、ラルク

であれば

現在の20代にとってはボカロがそれにあたるのだ(いや、マジマジ。本当にそうらしいですよ。米津玄師もボカロ出身らしいし)。

ま、つまり現在の若者のカルチャーを担う代表選手の一人であるDAOKOと岡村靖幸がコラボしたという事実は凄いことなんだよ、と(主にベイベ側に対して)僕は声を大にして言いたいのだ。

DAOKO × 岡村靖幸「ステップアップLOVE」

「ステップアップLOVE」は作詞がDAOKOと岡村靖幸。作曲・編曲を岡村靖幸が担当している。曲調からアレンジまでまさに岡村靖幸ワールドといった感じだ。作詞はDAOKOのクレジットがあるが、歌詞も岡村靖幸色が強すぎる。

というか…不自然なくらいに強い。これはつまり、DAOKOが岡村靖幸側に寄せいているように思う

まずタイトルの「ステップアップLOVE」は家庭教師に収録されている「ステップUP↑」から取っているものだと思われる。そして「LOVE」は「ビスケットLOVE」の「LOVE」から取っているのではないだろうか。

「ビスケットLOVE」と「ステップUP↑」は岡村靖幸の4枚目のアルバム「家庭教師」に収録されている。しかも7曲目に「ビスケットLOVE」8曲目に「ステップUP↑」とこの2曲の曲順は連番だ。

明らかに「家庭教師」色が強い。おそらく、DAOKOは「家庭教師」推しである可能性が高い。

僕も初めて岡村靖幸を聴き始めたとき最もハマったアルバムが「家庭教師」だった。とにかく「家庭教師」をヘビーローテーションする毎日だった。「家庭教師」がスッバらしすぎて本来十分に名盤である「靖幸」や「DATE」も「家庭教師」の前ではそれほど魅力的に感じられなかったほどである。

それくらい「家庭教師」というアルバムは特異なアルバムである。

ビートルズで言うところの「サージェントペッパーズロンリーハーツクラブバンド」。ビーチボーイズで言うところの「ペットサウンズ」的な位置づけとえいる。

「ラバーソウル」や「リボルバー」ももちろん永遠の名盤なのだけど、纏うオーラや品格が違うのだ。つまりは別格なのだ。

DAOKOもきっと「家庭教師」の魅力に取りつかれた一人なのだろ推測する。

岡村靖幸は作詞を苦手としているが、岡村靖幸愛のある人と共に作詞した場合は、「ステップアップLOVE」のようにとても秀逸な歌詞になる。

「ビバナミダ」の歌詞も西寺郷太との共作だったが、すべてのベイベが満足するとても素晴らしい歌詞となっている。

矢沢永吉は自分では作詞しないが、永ちゃん愛溢れる人たちが「これこそが我らがYAZAWA」的な歌詞を提供することで素晴らしい楽曲になっている。

岡村靖幸も岡村ちゃん愛ある作詞家に歌詞を任せるのも案外良いのかもしれない。

岡村靖幸のポテンシャルは現代の若者にとっても新しい

「ステップアップLOVE」はアップテンポで爽快な曲調。ややブラックなファンク色もあり、言葉の乗せ方も独特で、まさに岡村靖幸といった感じ。要はいつもの岡村靖幸のポテンシャルだ。

このスタンダートな岡村靖幸のクオリティが現在の若者にとって全く古臭さを感じさせないというのは、本当に本当に異常なくらい凄いことだと思う。

だって、岡村靖幸っていい年ですよ。今の10代や20代にとっては50代ってなかなかの年寄だ。なのに古臭さを感じさせないって凄くないか?

たとえば、吉田拓郎がキンキキッズに提供した「全部だきしめて」とかAKBの「恋するフォーンチューンクッキー」などは、古臭さがあるけど、それがむしろ現代においては味があって良い的な捉え方をされ評価されている。古さが逆に新鮮で新しい、みたいな。

けど、岡村靖幸は違う。

今のジェネレーションに対してストレートな新しさを提供している。いや、むしろ、今のジェネレーションですらもしかしたらついていけてないのかもしれない。

歪んでも 滲んでも

Every Day Every Night

まだつかめない

それが我らが岡村靖幸なのだ。

というわけで、本日はDAOKOと岡村靖幸のコラボ曲「ステップアップLOVE」についての解説でした。

追記

ブログの更新は週末が中心になりそうです。

POSTED COMMENT

  1. 777 より:

    近年の岡村さんの曲はポップなものが多い印象ですが、コラボ曲はポップさとメジャーさがいい塩梅でみな傑作ですね。

    • yuji より:

      メジャーさ、ありますね。
      「ステップアップLOVE」はDAOKOさんとのコラボということで注目度も高い中、傑作を作れる岡村靖幸は凄いと思いました。

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